想いは形になる。 東京国分寺に「cafe Slow」という形がある。
僕も関わらせて頂いてきたアースデイマーケットもここなくしては形作れ無かったかもしれない。僕はこの二つから大切なことのほとんどを学ばせて貰った。 そこから「たねと食のおいしい祭り」という素晴らしい企画も生まれた。 国内外からここに最良のゲストがやってきていた。
でも、そんな素晴らしい企画やゲストの方々がやってくるのには、訳がある。
スタッフの目、芯からの笑顔、手間暇を惜しまず妥協の無い美味しさを作るための生産者や食材、一皿への愛情がホンモノだからだ。

そうそう通称「耳かき」を見せて貰った事がある。元は調理用の竹べらなのだが、尋常じゃなく使い込まれて、先が細り、耳かきのような形になってなお使い続けられていたのだ。 何千回、この竹べらを使い、洗いを繰り返したのだろう。 「先が細いから鍋の隅までかき混ぜ易いの」と笑って教えてくれた。 食べ物を大切にする以前に道具をもここまで大事にすることのできる作り手たち。 あの精神が宿った「耳かき」が僕に訴えかける。 僕らの想いにはまだできることがある。 想い出ではなく、「cafe Slow」というホンモノを形のまま、次の時代へつなぐこと。

amato 通詞島サトウキビ復活プロジェクト 冨山普（宏士）

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