私は、自分の感じる世界の美しさや不思議さを絵や形にしてきました。

でも、幼少期から大自然の中で生きてきたとか、今、自然の中で自給的な生活をしているとかではありません。

幼少期に傍にあったのは、郊外の傷ついた自然でした。
家の目の前に川が流れていましたが、都内ワースト１位の汚川でした。破傷風になるので絶対に入るなと言われていました。
近くにあった、クワガタムシの住む小さな雑木林は、端から住宅に変わっていきました。最後に残された30坪ほどの林で偶然見つけたコクワガタの蛹に感動し、そっと元に戻しましたが、羽化する前に住宅に変わり、泣きながら川沿いを帰った思い出があります。

私の根底にあるのは、傷ついた自然であり、途方に暮れるしかない悲しみや憤りであり、その中でも、わずかに射しこんでくる生命の輝きです。

大自然への憧れはありますが、同じくらいの畏怖もあります。
郊外のあの不自然な自然に親しんできた私は、本当に美しく大きな自然の中では生きられないのかもしれません。

そのような葛藤や憧れや罪悪感、傷ついていく自然への申し訳なさや、どうにかして少しでも癒してあげたいと願う気持ち、そのような思いを礎に、今の私の作品があると思います。

今回は、細胞や細菌などのミクロなものと、大きな動物たちを一緒に描いた5メートル程の大きな作品も展示します。

少しでも楽しんでいただければ幸いです。

■開催日時
2025/2/21（金）〜2/26（水）
11:00〜18:00
※2/25（火）休廊
入場無料（ギャラリーのみのご入場も可能です）

カフェ営業時間
11:00〜17:00（L.O.16:30）
※2/25（火）休業、2/24（月）は営業

◾️会場
カフェスロー（店内:スローギャラリー）
東京都国分寺市東元町2-20-10
国分寺駅南口より徒歩約5分
http://cafeslow.com/access/