9/20(金)-25(水) あいわゆうの衣展 〜本建て正藍染とSlow Fashion〜
私たちは、岐阜県池田町に工房を構え、日本古来の醗酵による藍染「本建て正藍染」を軸とした衣服作りに取り組んでいます。
「本建て正藍染」は室町時代頃から続くとされる藍染の伝統技法ですが、明治時代以降の近代化の流れの中で、安価で手軽な化学藍が出現し、一度は滅びかけた藍染でもあります。
藍の染め液を作ることを「藍建て」と言い、本建て正藍染に於いて藍建てに用いる原料は、藍の染料「すくも」と堅木の木灰から取れる「灰汁」(あく)の2種類のみ。
(この手法による藍建てを「本建て」と呼び、本建てによる藍染を「正藍染」と言います。)
原料は極めてシンプルですが、それだけに技術だけでは藍は建たず、「心を込めること」の大切さを師匠から教わりました。
藍の微生物と息を合わせ完成する真の醗酵の藍染は、美しく青く、堅牢度(染色の強さ)が強く、色移りせず、藍の寿命が長く、染めることの本質的な意味を持ちます。
お日様から身を護る「紫外線予防効果」や血流を良くする「遠赤外線効果」雑菌の繁殖を防ぎ、臭いの発生を予防する「抗菌作用」などの優れた特徴があったからこそ、人々の生活に必要なものとして伝統的に受け継がれてきました。
本建て正藍染の染色工程は、【 染色 ▶︎ 洗い ▶︎ 天日干し 】という工程を最低6度も繰り返すため、一般的な藍染よりも時間と手間が大幅にかかりますが、その分、実用性に優れた質の高い商品が出来上がります。
私たちのデザインする衣「結衣」は、麻(リネン・ラミー・ヘンプ)を中心として、オーガニックコットンなどの天然素材を用いた日本製の布を使用しています。
工房にて自らデザインした衣は、岐阜県内で仕立て、最後は私たちの手で一つ一つ染めています。
今回の販売会では正藍染の衣のみならず、正藍染と相性の良い「生成り」や「白」、「鮮やかな色」の衣まで幅広くご用意しております。
現代的な洋服の形を残しながら、着る人の身体を縛るのではなく、身体という自然に「寄り添い」「開放する」和の心を融合させたデザインになっています。
展示される衣服や小物は、単なる装飾品ではなく、私たちの生活に自然の力を取り入れるための実用的な美しさを追求しています。
正藍染や植物繊維の持つ「癒しの効能」と、自然環境に溶け込む色合いを日常の中で活用され、楽しんでいただければ幸いです。
本展示会では、藍染の伝統と現代的なデザインの融合を感じることができるとともに、私たちの創り出す「結衣」に込めた思いと、自然と共生するデザイン哲学に触れていただけます。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
◎ ギャラリー内では、コーヒーやお酒を片手にリラックスして会話を楽しむこともできますので、ぜひお氣軽にお越しください!
<価格帯>
・小物類(ハンカチ・手拭い・ふんどし・ショールなど):3,000円〜
・衣類(シャツ・ブラウス・ジャケット・ワンピースなど): 18,000円〜
■開催日時
2024年9月20日(金)〜25日(水)
11:00〜18:00
※24日(火)休廊、23日(月)はOPEN
入場無料 ギャラリーのみのご入場も可能です
カフェ営業時間
11:00 〜 17:00(L.O.16:30)
✳︎24日(火)休み、 23日(月)は営業
■会場
カフェスロー店内スローギャラリー
東京都国分寺市東元町2-20-10
国分寺駅南口より徒歩約5分
http://cafeslow.com/access/
■作家プロフィール
あいわゆう
岐阜県の池田山山麓に工房を構え、日本古来の醗酵による藍染「本建て正藍染」や「結衣」という名の衣服を製作しています。
「衣を纏うこと」の本質を見据えながら、身体に寄り添う衣をデザインし、藍の微生物と共に祈りを込めて染めています。
デザイナー:野原和也
愛知県生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ・ファッションデザイン科卒。学生時代からロンドン市内のファッションブランドでインターンを経験し、デザイナーとしてロンドンやパリコレクションへの出展を果たす。令和元年に帰国後、伊勢神宮参拝をきっかけに「醗酵」の世界に魅了され、正藍染工房「紺邑」とのご縁をいただく。故大川公一氏によって確立された「本建て正藍染」の技術を学び、本来の藍染が持つ「癒しの効能」を生かした衣作りを目指して、令和4年より岐阜県内に工房を構え「あいわゆう」として正式に活動を開始。
染師:野原未希
岐阜県生まれ。柿渋染め作品の製作をはじめ、衣服や和紙、和傘などさまざまな依頼品の染色を通じて染師としての経験を積む。色彩表現の幅を追求し、年齢や性別を問わず、生活に取り入れやすい衣服や日用品を提案してきました。令和2年より、古くから庶民に親しまれてきた藍染を学ぶため、正藍染工房「紺邑」にて正藍染の技術を習得。実用的かつ美しい正藍染の色をお届けできるよう、日々染めに向き合っています。
LEAVE A REPLY